Exective Commitee

そこで生えているプロジェクト実行委員会

中村政人

副代表

中村政人

アーティスト

『人類の進化プロセスにおいて、猿人類が二足歩行し始めた時には、
特別なひとりが立ち上がり歩き始めたのではなく
無数のヒトが一斉に立ち上がり歩き出したという説がある。
私たちが一斉に創造し始めるといったい何が起るのだろうか?
3331は、その一斉に立ち上がるための衝動となりたい。
見るまえに跳べ!』
アーツ千代田 3331の開館記念展において上記のテキストを書きました。何かをつくりたいという抑えきれない表現衝動を私たち自らが進化するプロセスに組み込み、一斉にジャンプするためのクリエイティブフィールドを生み出したいという想いでした。
佐藤直樹さんの表現は、まさしく3331を構成する多くの活動が一斉にジャンプし始めたように、3331と共に生まれ成長しています。合板に木炭だけで森を描き続けるその姿は、森にとっては創造主であり、さらなる大きな存在にとっては、強い利己的な遺伝子のようでもあります。言いかえると、それは、リゾーム構造(多様な価値を自分の中で統一するのではなく、差異を差異のまま受け入れられる関係)を抱く多様な個々の存在が、緩やかな全体の生態系を形成していく「進化する森」を表現しているように感じます。
少し大げさかもしれませんが、佐藤直樹さんの個展をするということは、3331のロゴをつくった「デザイナー佐藤直樹」が、「アーティスト佐藤直樹」として進化する大きな転機なのだと言えます。そしてその進化のプロセスを、佐藤さんと一緒に仕事をしてきた私たちが支えることが今必要な事と考え「佐藤直樹個展実行委員会」を立ち上げる運びとなりました。

Profile

1963年秋田県大館市生まれ。アーティスト。3331 Arts Chiyoda統括ディレクター。東京藝術大学絵画科教授。美術と社会との関わりをテーマにプロジェクトを進める社会派アーティスト。第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2002年)日本代表。1998年よりアーティストイニシアティブコマンドN主宰。富山県氷見市、秋田県大館市等、地域再生型アート・プロジェクトを多数展開。プロジェクトスペース「KANDADA」(2005~2009)を経て2010年6月よりアーティスト主導、民設民営のアートセンター「アーツ千代田3331」(東京都千代田区/秋葉原)を立ち上げる。著書「美術と教育」等多数。平成22年度芸術選奨受賞。2011年より震災復興支援「わわプロジェクト」、2012年より東京・神田のまちの創造力を高めるプロジェクト「TRANS ARTS TOKYO」を始動。

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